2026.10.01

「【解説】被災中小企業を支える災害時の融資制度」

ニュースの概要

2026年10月1日、千葉テレビ放送が、災害によって被害を受けた中小企業の資金繰りを支援する融資制度について報じました。

災害が発生すると、建物や設備が壊れるといった直接的な被害だけでなく、営業を一時的に停止したことで売上が減少したり、事業を再開するための設備や商品を用意する資金が必要になったりすることがあります。

こうした場合に利用できる制度の一つが、日本政策金融公庫の「災害復旧貸付」です。日本公庫では、地震や台風、大雪、大規模な火災などの災害によって被害を受けた中小企業者を対象に、事業の復旧を支援しています。直接被害を受けた事業者だけでなく、直接被害を受けた事業者の事業活動に依存しているなど、間接的に被害を受けた事業者も対象となる場合があります。

災害復旧貸付の資金使途は、災害から事業を立て直すための設備資金や長期の運転資金です。日本政策金融公庫の中小企業事業による直接貸付では、一つの指定災害につき融資限度額が1億5,000万円とされています。

ただし、災害復旧貸付は、すべての災害やすべての事業者が自動的に利用できる制度ではありません。対象となる災害として指定されていることや、被害の状況など、利用には一定の条件があります。

また、融資限度額が大きいからといって、その金額を借りる必要があるということでもありません。実際に必要となる復旧費用や、今後の事業の資金繰りを踏まえて、必要な資金を考えることが重要です。

中小企業・個人事業主への影響

災害による被害は、会社の規模に関係なく経営に大きな影響を与える可能性があります。

例えば、店舗や工場が被害を受けた場合、営業を再開するために修繕費や設備費が必要になります。また、営業できない期間が発生すれば、その間の売上が減少する一方で、家賃や人件費などの支払いが続くこともあります。

こうした状況では、「利益が出ているか」だけでなく、「手元にいくらお金があり、いつまで事業を維持できるか」という資金繰りの視点が重要になります。

災害復旧貸付では、建物や設備を復旧するための資金だけでなく、長期運転資金も対象となっています。日本公庫によると、設備資金は20年以内、運転資金は10年以内の返済期間が設定されており、それぞれ一定期間の据置期間も設けられています。

「据置期間」とは、借入後すぐに元金の返済を始めるのではなく、一定期間、元金の返済を待ってもらえる期間のことです。災害から事業を再開するまでには時間がかかる場合があるため、こうした仕組みは資金繰りを考えるうえで重要なポイントになります。

一方で、融資は返済が必要な資金です。災害から復旧するために必要な金額を把握し、事業を再開した後の売上や利益を見ながら、無理のない返済計画を考えることが大切です。

また、災害時には融資以外の支援策が利用できる場合もあります。信用保証制度や補助金、自治体による支援など、被害の内容や地域によって利用できる制度は異なります。

そのため、被害が発生した場合には、まず利用できる支援策があるかを確認することが大切です。日本政策金融公庫でも、災害に関する特別相談窓口を設置するなど、被災事業者の相談を受け付けています。

前橋・群馬で事業を営む中小企業や個人事業主の方にとっても、災害は決して遠い問題ではありません。普段から資金繰りを把握しておくことは、通常の経営だけでなく、予期せぬ事態への備えにもつながります。

今のうちに確認しておきたいこと

今回のニュースをきっかけに、災害が起きた場合の資金繰りについて、今のうちから考えておくことも大切です。

まず確認したいのは、会社や事業にとって「止まると困るもの」です。

店舗や事務所、工場などの建物だけでなく、製造機械、車両、パソコン、業務システムなど、事業を続けるために必要なものを書き出してみましょう。何が必要なのかを把握しておけば、万が一被害を受けた場合にも、復旧に必要な費用を整理しやすくなります。

次に、手元資金と毎月の支払いを確認しておきましょう。

売上が一時的に減少した場合でも、家賃、人件費、仕入れ、借入金の返済など、すぐに止めることが難しい支払いがあります。毎月どのくらいの資金が必要なのかを把握しておくと、災害時にどの程度の運転資金が必要になるのかを考える材料になります。

すでに融資を利用している場合は、借入残高や返済額、返済期間なども整理しておきましょう。新たに復旧資金が必要になったとき、現在の借入状況を正確に把握していることが重要になります。

また、災害による被害を受けた場合には、被害状況を証明する書類などが必要になる支援制度もあります。制度によって必要な手続きは異なるため、実際に利用を検討するときは、対象となる制度の最新情報を確認することが必要です。

日本政策金融公庫の災害復旧貸付では、担保の設定や保証人についても、相談のうえで決める仕組みになっています。

さらに、災害時の資金繰り対策は「借入先を決めておく」ということだけではありません。日頃から記帳を行い、売上、経費、利益、借入金、手元資金などの経営数字を把握しておくことも重要です。数字が整理されていれば、被害を受けたときに「いくら必要なのか」を具体的に考えやすくなります。

もちろん、実際に災害が発生した場合は、被害の地域や内容によって利用できる制度が変わります。前橋や群馬県内で災害による被害を受けた場合も、国や自治体、金融機関などの最新の支援情報を確認し、自社に利用できる制度があるかを確認しましょう。

前橋市下沖町の株式会社adjustは、経営を数字でサポートする会計財務パートナーとして、記帳代行、経営コンサルティング、補助金・助成金の申請サポート、起業支援、保険代理店、セコム営業代理店、企業マッチングなどを行っています。LINEでの打ち合わせにも対応しています。

なお、融資や災害支援制度の利用条件は制度ごとに異なります。また、災害に関連して税務上の判断が必要となる場合は、税理士にご相談ください。

災害はいつ起きるか分からないからこそ、平常時から自社のお金の流れを把握し、必要な資金を考えておくことが、経営を守るための準備になります。

記帳や資金繰り、補助金の申請など、経営の数字のことで気になることがあれば、株式会社adjustにお気軽にご相談ください。

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